ビタースイー糖

見通しが甘いことでお馴染み砂糖のブログ

ネタバレ感想記事 シュガービート

どうも砂糖です。

今回は砂糖に因みましてシュガービートという映画の感想的記事を書きます。

このシュガービートは一般的な知名度こそありませんが、フランス映画マニアの中では死ぬまでには一度は見るべき映画として知られており、有名映画「アメリ」を監督したジャン=ピエール=ジュネに影響を与えたとされている名作です。

さて、このシュガービートは主人公であるビートが幼い頃自分を捨ていなくなった両親を探すというのが本筋のお話です。前半と後半で時代が変わっており、前半は少年期のビートの話が繰り広げられます。

両親がいなくなって三年の月日が経った頃、親友の家族の元で暮らすビートはある日、親友の父親が隠し持っていたビートの両親が写った写真と手紙を見つけます。ビートは親友の父親に問い詰めますが、そんなものは知らないの一点張り。勿論納得出来ないビートですが、その場は引き下がり自ら両親に繋がる証拠を探し始めます。するとその町に暮らす市場のおじさんや警察官、毎朝挨拶を交わすおばさんなど多くの人々が親友の父親が持っていたのと同じ写真と、それぞれに宛てられた内容の違う手紙を隠し持っていたのです。

ビートの持つ不信感は親友の父親から町全体へと変わり、勿論親友に対しても不信感を抱くようになりました。しかしまだまだ幼いビート。一人で生きていくことも難しい為、その気持ちを押し殺し普段と変わらぬ様子を演じて暮らしていきます。

ここまでが前半のあらすじです。この記事においてビート以外の名前が出ていませんが、実際の映画でもビート以外誰の名前も出てきません。ビートの親友も、ビートからは我が友と呼ばれ、父親からも我が息子と呼ばれる為です。

名も明かされない人物達が揃いも揃って秘密を隠し持っているという孤独を表す描写がとても効果的で、幼いビートの恐怖心を観客にも感じさせるようにという工夫がなされていましたね。

 

そして後半は劇中での時間が10年進みます。立派な青年となったビートは本格的に行動を始めます。町に恐らく味方はいないと判断した彼は、進学の為にもっと栄えた街に通うようになり、そこでビートのことを知っている怪しげな探偵を名乗る男と出会います。そしてその男はビートが町の人々に抱いてる不信感とその理由を言い当て、その謎を共に解き明かそうと持ちかけます。10年という月日による薄れかけた両親への想い、秘め事があれど実の息子と分け隔てなく育ててくれた親友の父親への気持ち、様々な感情が渦巻くビートですが、探偵の後押しもあり謎を解き明かす道を選びます。

探偵と共に町に帰ると、何やら異様な雰囲気が町全体を覆っています。この映画は不安に襲われ続ける少年期に短調のBGMが使われ、青年期の最初の方も一貫して短調のBGMが使われていましたが、雰囲気に飲み込まれそうなビートの肩を探偵がポンと叩き、親友の家に向かっていく場面から、初めて信頼出来る味方を得たビートの心を表すように転調され長調のBGMが使われます。この場面はしびれました。

ここからラストまで怒涛の展開が繰り広げられますが、ここを明かすと最初から見る視点が変わりますので注意してご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな映画ないです。ごめんなさい。

シュガービートってなんか砂糖の原料に使われる植物の別名ですって。為になったね。

 

以上をもって仕舞いとします。

次回更新をお待ちください。